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排水トラップ選びと手入れのアドバイス
快適な水回りを維持するためには、排水トラップの適切な選択と日頃の手入れが欠かせません。排水トラップには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。例えば、キッチンでよく見られるのは「ワントラップ」や「Sトラップ」です。ワントラップは椀を逆さにしたような形状で、比較的手入れがしやすいのが特徴ですが、封水が蒸発しやすいという側面もあります。SトラップやPトラップは、配管自体がS字やP字に曲がっており、封水を保持する構造です。これらは封水が比較的安定していますが、曲がりくねった部分に汚れが溜まりやすい傾向があります。浴室の洗い場では、床に埋め込まれたワントラップが一般的です。洗濯機パンには専用のトラップが設置されていることが多いでしょう。どのトラップを選ぶかは、設置場所のスペースや配管の状況、メンテナンスのしやすさなどを考慮して決めることが大切です。もし交換を検討する場合は、専門業者に相談するのが確実です。そして、どのタイプのトラップであっても、定期的な手入れは必須です。キッチンであれば、油汚れや食材カスが溜まりやすいため、月に一度程度は分解して洗浄するのが理想です。洗面所や浴室では、髪の毛や石鹸カスが詰まりの原因となります。こまめにゴミを取り除き、パイプクリーナーなどを活用して汚れの蓄積を防ぎましょう。特に長期間家を空ける際は、封水が蒸発して臭いが上がってくることがあるため、水を流しておくなどの対策が必要です。適切なトラップを選び、こまめな手入れを心がけることで、水回りのトラブルを未然に防ぎ、快適な環境を保つことができます。
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排水管の仕組みと油汚れ蓄積の科学
キッチンの排水溝が流れにくくなる主な原因は油汚れですが、なぜ油はそれほどまでに排水管を詰まらせるのでしょうか。その理由を理解するためには、排水管の構造と油の性質について少し掘り下げてみる必要があります。一般的な家庭のキッチン排水管は、シンク下の排水トラップを経て、床下や壁の中を通り、最終的に屋外の排水桝や公共下水道へと繋がっています。この経路の途中には、臭気上がりや害虫の侵入を防ぐために、S字やP字型に曲がった「排水トラップ」が設けられています。このトラップ部分には常に水が溜まっている(封水)ため、汚れも蓄積しやすい構造になっています。さて、問題の油ですが、調理で使われる食用油(植物油、動物性脂肪など)は、温かい状態では液体ですが、温度が下がると粘度を増し、さらに冷えると固まる性質を持っています。特に、ラードやバターなどの動物性脂肪は常温でも固形に近い状態です。これらの油が排水管に流されると、管内を流れる水によって冷やされ、徐々にその粘度を増していきます。そして、排水管の内壁に少しずつ付着し始めるのです。最初は薄い膜のような状態ですが、日々の調理や洗い物で繰り返し油が流されることで、その膜は徐々に厚みを増していきます。この油の層は粘着性が高いため、細かな食材カスや洗剤の溶け残りなどを吸着し、取り込んでいきます。これが、ヘドロ状の汚れの正体です。さらに、この汚れは雑菌の温床となり、バイオフィルムと呼ばれるヌメリのある膜を形成します。このバイオフィルムもまた、汚れを吸着しやすく、詰まりの成長を加速させます。時間が経つにつれて、油汚れと他のゴミが混ざり合った層は、排水管の内径をどんどん狭めていきます。水の流れるスペースが狭くなれば、当然流れは悪くなります。そして、ある時、比較的大きな食材カスなどが引っかかることをきっかけに、水の通り道が完全に塞がれてしまうのです。これが、キッチン排水溝が完全に詰まるメカニズムです。特に、排水管の曲がり角や、勾配が緩やかな部分は、水の流れが滞りやすく、油汚れが蓄積しやすいポイントとなります。この科学的なプロセスを理解すれば、日頃から油を極力流さないようにすることの重要性が、より深く納得できるのではないでしょうか。
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失敗しない洗濯機設置のための重要注意点
引っ越し先での洗濯機設置は、新しい生活を始める上で欠かせない作業ですが、手順を誤ると水漏れや故障、さらには感電などの事故に繋がる可能性もあります。設置作業を安全かつ確実に行うために、特に注意すべきポイントをいくつかご紹介します。まず、作業を始める前に、必ず「止水栓(水道の蛇口)を閉める」ことと、「洗濯機の電源プラグを抜いておく」ことを徹底してください。これは、水漏れや感電事故を防ぐための基本中の基本です。次に重要なのが、「設置場所の確認」です。洗濯機を置くスペースの寸法はもちろん、防水パンの有無とサイズ、排水口の位置、給水栓の種類(形状)、アース端子付きコンセントの位置を事前に正確に把握しておく必要があります。特に防水パンがない場合や、サイズが合わない場合は、設置方法を再検討するか、別途防水パンを設置するなどの対策が必要になります。給水栓の形状によっては、ホース接続用のニップルやアダプターが必要になるため、事前に確認し準備しておきましょう。「本体の水平設置」も非常に重要です。設置場所が傾いていると、洗濯機がガタつき、運転中の振動や騒音が大きくなるだけでなく、故障の原因にもなります。必ず水準器(スマートフォンのアプリでも可)を使って水平を確認し、本体の調整脚でしっかりと調整してください。「給水ホースの接続」では、水漏れに最大限の注意を払います。蛇口と洗濯機本体に、ホースを確実に接続し、緩みがないか確認します。接続後、蛇口をゆっくりと開け、接続部から水が漏れていないか、タオルなどを当てて入念にチェックしましょう。「排水ホースの接続」では、ホースが途中で折れ曲がったり、潰れたりしないように注意が必要です。排水の流れが悪くなり、水漏れやエラーの原因になります。また、排水ホースの先端が排水口の奥に入り込みすぎたり、逆に浅すぎたりしないよう、適切な長さに調整し、確実に排水口に固定します。最後に「アース線の接続」を忘れないでください。万が一の漏電時に感電を防ぐための重要な安全対策です。アース端子に確実に接続しましょう。これらの注意点を守り、焦らず慎重に作業を進めることが、トラブルのない洗濯機設置の鍵となります。少しでも不安がある場合は、無理せず専門業者に依頼することも検討しましょう。
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洗面所の水栓、劣化による水漏れにご注意を
毎日の生活に欠かせない洗面所。顔を洗ったり、歯を磨いたり、時には軽い洗濯をしたりと、家族みんなが日に何度も使う場所です。漏水した排水口交換を水道修理する江戸川区は蛇口をひねれば当たり前のように水やお湯が出てくるその機能は、非常に便利である一方で、水栓や排水設備には常に水圧や温度変化、そして日常的な操作による物理的な負担がかかっています。特に水栓本体は、使用頻度が高いほど内部部品の劣化が進みやすく、いずれ水漏れといったトラブルを引き起こす可能性があります。洗面所の水漏れは、単なる使い方の問題だけでなく、多くの場合、設備の「経年劣化」が深く関わっているのです。洗面所の水栓の寿命は、一般的に10年程度と言われています。もちろん、メーカーや製品の品質、使用頻度、そして地域の水質などによって差はありますが、この時期を過ぎると内部の部品が劣化し、水漏れが発生しやすくなります。水栓内部には、水を止めたり出したり、あるいは温度を調整したりするための様々な部品が組み込まれています。最も代表的なのは、ゴムや樹脂でできたパッキンやOリングといったシール材です。これらは水の流れをしっかりと密閉する役割を担っていますが、長年の使用によって硬くなったり、摩耗したりすると、わずかな隙間から水が漏れ出す原因となります。また、シングルレバー水栓の場合は、水量や温度を調整するバルブカートリッジという部品が劣化することで水漏れを引き起こすことがあります。ツーハンドル水栓の場合は、ハンドル内部のスピンドルやコマパッキンが劣化しやすい箇所です。水栓の経年劣化による水漏れは、様々なサインで現れることがあります。最も分かりやすいのは、蛇口をしっかり閉めたはずなのに、先端から水がポタポタと滴り続ける「ポタポタ水漏れ」です。これは止水に関わる部品の劣化である可能性が高いです。また、蛇口本体の根元や、レバー、ハンドルの下から水が滲み出てくることもあります。これは水栓内部のシール材の劣化や、本体固定部分の緩みが原因として考えられます。他にも、以前よりレバーやハンドルが固くなった、あるいは逆に妙に軽くなったといった操作感の変化も、内部部品が劣化しているサインかもしれません。これらの小さなサインに気づいたら、水漏れがひどくなる前に注意が必要です。もし洗面所で水漏れを発見したら、まずは落ち着いて、洗面台下の給水管・給湯管にある止水栓を閉めるか、家全体の水道元栓を閉めて、水の供給を止めましょう。これは、さらなる被害拡大を防ぐための最も重要な応急処置です。その後、どこから水が漏れているのか、水栓の種類は何かなどを確認し、原因の特定を試みます。経年劣化が原因である可能性が高い場合は、劣化した部品を交換する必要があります。ご自身で対応できる範囲かどうか判断し、難しい場合は無理せずプロの水道修理業者に相談することが賢明です。洗面所の水栓は、経年劣化による水漏れが発生しやすい設備です。日頃から水栓の小さな変化に気を配り、もしもの時には早期に適切に対処することが、快適で安全な洗面所を保つために非常に重要となります。
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排水溝髪の毛もう触らなくていい
浴室や洗面所の排水溝に溜まる、あの髪の毛の塊。見るだけでゾッとし、ましてや手で触るなんて考えただけで鳥肌が立つ。邑楽町は排水口交換する漏水の水道修理に多くの人が抱えるこの「触りたくない」という強い抵抗感は、決して珍しいものではありません。あのヌルヌルとした感触、湿った汚れ、そして何より「自分で掴んで捨てる」という行為そのものに、生理的な嫌悪感を覚えるのは自然なことです。しかし、だからといって放置しておけば、水の流れが悪くなるだけでなく、不衛生な状態が悪化し、悪臭の原因となり、果ては詰まりを引き起こし、より面倒な事態を招いてしまいます。触りたくないけれど、掃除は避けて通れない。この厄介な現実に、一体どう向き合えば良いのでしょうか。実は、直接手で触ることなく、この問題を解決するための方法はいくつも存在します。 まず、物理的な接触を避けるためのツール活用法です。市販されている排水溝掃除用のブラシやトングには、様々な工夫が凝らされています。例えば、先端が特殊な形状になっていて、髪の毛を絡め取りやすいブラシや、長い柄がついているため、手を汚さずに排水溝の奥の髪の毛までキャッチできるトングなどがあります。これらのツールを使えば、物理的な距離を保ちつつ、効果的に髪の毛を取り除くことが可能です。絡め取った髪の毛を、ブラシやトングごとゴミ袋の上で振り落とせば、直接触る必要はほとんどありません。また、最近では使い捨ての排水溝用シートやフィルターも人気があります。これらを排水溝の目皿の上に貼ったり置いたりしておくだけで、流れてくる髪の毛をしっかりキャッチ。ある程度溜まったら、シートやフィルターごと剥がして捨てるだけなので、手軽で非常に衛生的です。 次に、化学的な力を借りて問題を解決する方法です。最も一般的なのは、市販のパイプクリーナーを使用することです。液体やジェルタイプのクリーナーを排水溝に流し込むと、含まれる成分が髪の毛やヌメリの原因となる油汚れなどを分解してくれます。定期的に使用することで、髪の毛がパイプ内で絡まって大きな塊になるのを防ぎ、詰まりの予防や軽度の詰まりの解消に役立ちます。指示された量を流し込み、しばらく放置してから水で洗い流すだけなので、文字通り「触らない」で掃除が完了します。より自然な方法を好む方には、重曹とお酢(またはクエン酸水)を使った掃除も有効です。まず排水溝に重曹をたっぷりと振り入れ、その上から温めたお酢をゆっくりと注ぎます。シュワシュワと泡立つ化学反応が、髪の毛やヌメリ汚れを浮かせて剥がれやすくします。数分から数十分放置した後、熱すぎないお湯を流し込んで洗い流せば完了です。これも直接髪の毛に触れることなく、汚れの分解を促進できます。 さらに、そもそも排水溝に大量の髪の毛が流れ込むのを予防することも、触りたくない人にとっては非常に重要な対策です。最も手軽な予防策の一つは、入浴前に髪を丁寧にブラッシングすることです。これで、シャンプー中に抜け落ちるはずだった多くの髪の毛を事前に処理でき、排水溝に流れる量を大幅に減らすことができます。また、排水溝の目皿自体を、より目の細かいタイプのものに取り替えることも効果的です。プラスチック製やステンレス製など様々な素材がありますが、既存のものより隙間が狭いものを選べば、小さな髪の毛までしっかりとキャッチし、パイプの奥へ流れていくのを防げます。溜まった髪の毛は、目皿ごと持ち上げてゴミ箱で捨てることで、やはり直接触れる機会を最小限にできます。 これらの「触らないための方法」や「予防策」をいくつか組み合わせることで、排水溝の髪の毛問題に対する心理的な負担を大きく減らすことができます。触りたくないという気持ちを我慢して無理に手で掃除するよりも、賢くツールや洗剤の力を借りたり、事前に予防策を講じたりする方が、精神的にも肉体的にもずっと楽です。もはや、排水溝の髪の毛掃除は、手で直接触らなければできないものではありません。様々な便利グッズや洗剤、簡単な予防策を活用して、快適で衛生的な暮らしを維持していきましょう。あなたが排水溝の髪の毛に触らなくて済む選択は、きっと見つかります。
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トイレ改修費用の内訳とポイント解説
和式トイレから洋式トイレへのリフォーム費用は、様々な要素の積み重ねで決まります。見積もり書を見たときに戸惑わないよう、費用の主な内訳と、それぞれのポイントを理解しておきましょう。まず「便器本体価格」です。これは選ぶ便器の機能やデザインによって大きく左右されます。最低限の機能を持つシンプルな洋式便器であれば比較的安価ですが、温水洗浄便座付き、暖房便座、脱臭機能、自動開閉、タンクレスタイプなど、機能が増えるほど価格は上昇します。タンクレスタイプは見た目がすっきりしますが、別途手洗い器が必要になる場合や、水圧によっては設置できないケースもあるため注意が必要です。次に「工事費」です。これが費用の大部分を占めることも少なくありません。主な項目としては、「既存便器解体・撤去費」、「床解体・造作費」、「給排水管工事費」、「電気工事費」、「新規便器設置費」などが挙げられます。和式便器は床に埋め込まれているため、その解体と、洋式便器を設置するための床の下地作りが必要です。床材の種類(タイル、木材など)によって解体の手間も変わります。給排水管の位置が和式と洋式で異なる場合が多く、配管の移設や延長工事が必要になることが一般的です。温水洗浄便座などを設置する場合は、コンセント増設などの電気工事も必要になります。「内装工事費」も考慮すべき点です。便器を撤去した跡の補修や、空間全体のイメージチェンジのために、壁紙(クロス)や床材(クッションフロアが一般的)を張り替えるケースが多いです。選ぶ素材のグレードによって費用は変わります。「諸経費」も忘れてはいけません。解体した便器や床材などの「廃材処分費」、現場の管理費用、運搬費などが含まれます。これらの内訳を理解し、見積もり書で各項目が適切に計上されているかを確認することが重要です。「一式」という記載が多い場合は、その詳細な内容を業者に確認するようにしましょう。何にどれくらいの費用がかかるのかを把握することで、予算の調整や業者との交渉もしやすくなります。
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自分で挑戦洗面台蛇口交換のステップ
洗面台の蛇口が古くなったり、水漏れしたりした場合、専門業者に依頼するのが確実ですが、適切な工具と手順さえ理解すれば、自分で交換することも可能です。DIYで蛇口交換に挑戦したい方のために、基本的な手順と注意点を解説します。まず、作業を始める前に必ず行うべきことは、洗面台の下にある止水栓を閉めることです。水用とお湯用の二つがある場合は、両方を時計回りにしっかりと閉め、水が出ないことを確認してください。これを怠ると、作業中に水が噴き出し大惨事になりかねません。また、安全のために元栓も閉めておくとより安心です。次に、古い蛇口を取り外します。蛇口本体と給水管(または給湯管)を接続しているナットを、モンキーレンチなどの工具を使って緩めます。接続部から水が少量こぼれることがあるので、下に雑巾やバケツを置いておくと良いでしょう。給水管が外れたら、蛇口本体を洗面台に固定しているナット(通常は洗面台の下側から締められています)を緩めて取り外します。これで古い蛇口本体を洗面台から引き抜くことができます。長年使用した蛇口は固着している場合もあるので、無理な力を加えすぎないように注意しましょう。新しい蛇口を取り付けます。取り外した時と逆の手順で、新しい蛇口本体を洗面台の穴に差し込み、下側から固定ナットでしっかりと固定します。この際、蛇口の向きが正しいか確認しながら締め付けます。次に、新しい蛇口の給水ホース(または給湯ホース)を、止水栓からの給水管に接続します。接続部分にはパッキンが入っていることを確認し、ナットを適切に締め付けます。締め付けが緩いと水漏れの原因になりますが、締めすぎるとパッキンを傷めたり、部品を破損させたりする可能性があるので注意が必要です。最後に、止水栓をゆっくりと反時計回りに開けていきます。接続部分から水漏れがないか、蛇口を操作して正常に水が出るか、水漏れがないかを念入りに確認します。もし水漏れがある場合は、再度止水栓を閉めて、ナットの締め付け具合やパッキンの状態を確認してください。工具の扱いに慣れていない方や、少しでも不安がある場合は、無理せず専門業者に依頼することをお勧めします。安全第一で作業を進めましょう。
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浴槽のトラブル自分で直せる?修理の可能性
日々の疲れを癒やす大切な空間であるお風呂。排水口を交換した彦根の水漏れ修理ではその中心にある浴槽は、長年使い続けるうちに様々なダメージを受ける可能性があります。ふとした拍子に硬い物を落として表面に傷がついたり、掃除の際に誤って洗剤で変色させてしまったり、あるいは経年劣化で細かいひび割れや塗装の剥がれが現れたりすることがあります。こうした浴槽の不調は、見た目を損なうだけでなく、放置すると傷が深くなったり、そこから水が浸入して浴槽本体や建材を傷めたりする原因にもなりかねません。大きな問題に発展する前に、適切な対応を検討することが重要です。 浴槽の損傷に気づいた時、すぐに「浴槽ごと交換しなければ」と考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、浴槽の交換は根本的な解決策ですが、費用も工事期間もかかるため、気軽にできるものではありません。しかし、損傷の程度によっては、自分で修理することも十分に可能な場合があります。自分で修理する最大のメリットは、やはりコストを大幅に削減できる点です。市販されている浴槽補修用のキットは数千円程度で購入できるものが多く、専門業者に依頼する場合に比べて費用を抑えられます。自分で修理できる可能性が高い損傷としては、浴槽表面の軽微な擦り傷や線状の傷、数ミリ程度の小さな欠けや剥がれ、FRP浴槽の表面に現れる髪の毛のような細いひび割れ(ヘアークラック)などです。 自分で浴槽の修理に挑戦する場合、まず傷や損傷の程度、そして浴槽の素材(FRP、ホーロー、人工大理石など)を確認することが大切です。素材によって使用できる補修材が異なります。傷の周囲をしっかりと清掃し、油分や水分を取り除いた後、補修箇所がそれ以上広がらないようにマスキングテープで養生します。次に、購入した補修キットの説明書に従って、パテで欠けを埋めたり、専用の塗料で塗装剥がれを補修したりします。FRPのひび割れであれば、専用の樹脂を注入して硬化させます。補修材が完全に硬化したら、サンドペーパーで表面を滑らかに整え、必要であれば仕上げの塗装や研磨を行います。 しかし、自分で修理できる範囲には限界があります。広範囲にわたるひび割れや剥がれ、浴槽自体に structural な損傷がある場合、浴槽の底面に大きな穴が開いてしまった場合、あるいは浴槽と壁や床の間に隙間ができて水漏れしている場合などは、個人での対処は難しく、かえって状況を悪化させるリスクが伴います。このような深刻な損傷の場合は、迷わず専門の水道業者や浴室リフォーム業者に相談すべきです。プロであれば、損傷の状態を正確に診断し、適切な方法と材料で確実に修理を行うことができます。自分でできる範囲を見極め、手に負えない場合は専門家の力を借りることが、安全かつ確実に問題を解決するための賢明な判断と言えるでしょう。美しい浴槽を長く保つために、早めの点検と適切な対処を心がけましょう。
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洗濯機設置完了後に必ず確認すべきこと
無事に洗濯機の設置が完了!これで一安心…と、その前に、必ず最終チェックを行いましょう。設置後の確認を怠ると、後々水漏れや騒音、故障などのトラブルに繋がる可能性があります。新生活を快適にスタートさせるために、以下のポイントを確認してください。まず最も重要なのが「水漏れのチェック」です。給水ホースの接続部分(蛇口側と洗濯機側)と、排水ホースの接続部分(排水口)から水が漏れていないかを、実際に水を通して確認します。給水栓をゆっくり開け、洗濯機の試運転(洗い、すすぎ、排水、脱水の一連の動作)を行います。試運転中および運転後に、各接続部分にタオルなどを当てて、水が滲んできたり、垂れたりしていないかを入念に確認しましょう。特に給水ホースの接続部分は、水圧がかかるため念入りにチェックします。次に、「洗濯機本体の動作確認」です。試運転中に、洗濯槽が正常に回転するか、異音や異常な振動がないかを確認します。特に脱水時には振動が大きくなるため、本体がガタついたり、大きく動いたりしないか注意深く観察しましょう。もし異常な振動や騒音がある場合は、本体が正しく水平に設置されていない可能性があります。再度、水準器を使って水平を確認し、調整脚で調整し直してください。「排水の確認」も重要です。試運転で排水が行われる際に、排水ホースからスムーズに水が流れ、排水口で溢れたり逆流したりしないかを確認します。排水ホースが折れ曲がっていたり、排水口にゴミが詰まっていたりすると、排水不良の原因になります。「アース線と電源プラグの接続確認」も再度行いましょう。アース線がアース端子に確実に接続されているか、電源プラグがコンセントにしっかりと差し込まれているかを確認します。緩んでいると、接触不良や感電のリスクがあります。「設置場所周りの最終確認」も忘れずに行いましょう。洗濯機本体が壁などに接触していないか、給水・排水ホースが無理な角度で曲がっていないかなどを確認します。壁に接触していると振動音が伝わりやすくなりますし、ホースに負担がかかると劣化を早める原因になります。これらのチェックを行い、全て問題ないことを確認できれば、洗濯機の設置は本当に完了です。最初の確認が、後々の安心に繋がります。
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事例で見る水回り改修費とその効果
神奈川県にお住まいのSさんご夫妻(夫60代、妻60代)は、定年退職を機に、長年暮らしてきた築30年の戸建て住宅の水回りリフォームを決意しました。リフォーム前の悩みは、冬場の寒さが厳しいタイル張りの浴室と、段差のある和式トイレ、そして収納スペースが少なく使い勝手の悪くなったキッチンでした。特に浴室の寒さとトイレの段差は、今後の老後生活を考えると大きな不安要素でした。「これからの暮らしを安全で快適なものにしたい」というのが、リフォームの一番の目的でした。Sさんご夫妻は、複数のリフォーム会社に相談し、最終的にバリアフリー改修の実績が豊富な地元の工務店に依頼することにしました。リフォームの内容は、まず浴室を断熱性の高いユニットバスに交換し、手すりの設置と段差の解消を行いました。ヒートショック対策として浴室暖房乾燥機も導入しました。トイレは、段差をなくして床をフラットにし、節水型の洋式トイレ(温水洗浄便座付き)に交換。こちらも手すりを設置しました。キッチンは、老後の使いやすさを考慮し、収納物を楽に取り出せるスライド収納付きのシステムキッチンに交換。コンロは安全性の高いIHクッキングヒーターを選びました。洗面所も、収納力があり車椅子でも使いやすい高さの洗面化粧台に交換し、内装も一新しました。工事期間は約1ヶ月半。その間、仮設のトイレやお風呂を利用するなどの不便はありましたが、完成した我が家を見て、その苦労も吹き飛んだと言います。気になるリフォーム費用ですが、水回り4箇所の改修とバリアフリー工事、内装工事を含め、総額は約450万円かかりました。当初の予算よりは少しオーバーしましたが、国や自治体のバリアフリー改修に関する補助金制度を活用できたため、実質的な負担額は抑えられたそうです。リフォーム後の効果は絶大でした。冬場でも暖かい浴室は快適そのもので、ヒートショックの不安が解消されました。トイレの段差がなくなり、手すりが付いたことで、安心して使用できるようになりました。キッチンは収納力がアップし、IHコンロで火の元の心配も減りました。洗面所も使いやすく、全体的に掃除も楽になったそうです。「費用はかかったけれど、これからの人生を安全で快適に過ごすための投資だと思っています。思い切ってリフォームして本当に良かった」とSさんご夫妻は満足そうに語ります。