近年人気のドラム式洗濯機ですが、従来の縦型洗濯機と比較して、引っ越し時の設置には特に注意が必要です。その理由は、本体の「重量」と「サイズ」にあります。ドラム式洗濯機は、一般的に縦型洗濯機よりもかなり重く、大型です。そのため、まず「搬入経路の確保」が最大の難関となることがあります。玄関ドアの幅、廊下の幅、通路の曲がり角、階段の有無と幅、設置場所である洗面所のドア幅などを、事前にミリ単位で正確に計測し、製品の寸法と照らし合わせて搬入可能かを確認する必要があります。特に、通路の曲がり角は、洗濯機を斜めにしたり回転させたりする必要があるため、単純な幅だけでなく、奥行きや高さも考慮に入れる必要があります。引っ越し業者や家電量販店の配送業者も、搬入経路が確保できない場合は設置を断念せざるを得ないため、事前の確認は必須です。次に、「設置スペースと防水パン」の問題です。ドラム式洗濯機は奥行きが大きいものが多く、従来の防水パンに収まらないケースがあります。防水パンの内寸と洗濯機の脚の位置・サイズを正確に確認し、設置可能か判断する必要があります。もし防水パンに収まらない場合や、防水パンがない場合は、床の強度や排水口の位置などを考慮し、設置方法を検討する必要があります。かさ上げ台を使用したり、場合によっては床の補強が必要になったりすることもあります。「本体の水平設置」も、ドラム式洗濯機では特に重要です。重量があるため、少しの傾きでも運転中の振動や騒音が大きくなりやすく、故障の原因にもなりかねません。水準器を使って厳密に水平を取り、調整脚でしっかりと固定することが求められます。また、ドラム式洗濯機は給水・排水の接続に加えて、乾燥機能が付いているものが多いため、電源容量やコンセントの位置なども確認が必要です。このように、ドラム式洗濯機の設置は、縦型洗濯機に比べて難易度が高く、注意すべき点が多くあります。重量があるため、個人での設置は非常に困難であり、危険も伴います。引っ越し業者や家電量販店の設置サービス、あるいは専門の設置業者に依頼するのが最も安全で確実な方法と言えるでしょう。費用はかかりますが、トラブルを避け、安心して新しい洗濯機を使い始めるためには、プロに任せることを強くお勧めします。
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