神奈川県にお住まいのSさんご夫妻(夫60代、妻60代)は、定年退職を機に、長年暮らしてきた築30年の戸建て住宅の水回りリフォームを決意しました。リフォーム前の悩みは、冬場の寒さが厳しいタイル張りの浴室と、段差のある和式トイレ、そして収納スペースが少なく使い勝手の悪くなったキッチンでした。特に浴室の寒さとトイレの段差は、今後の老後生活を考えると大きな不安要素でした。「これからの暮らしを安全で快適なものにしたい」というのが、リフォームの一番の目的でした。Sさんご夫妻は、複数のリフォーム会社に相談し、最終的にバリアフリー改修の実績が豊富な地元の工務店に依頼することにしました。リフォームの内容は、まず浴室を断熱性の高いユニットバスに交換し、手すりの設置と段差の解消を行いました。ヒートショック対策として浴室暖房乾燥機も導入しました。トイレは、段差をなくして床をフラットにし、節水型の洋式トイレ(温水洗浄便座付き)に交換。こちらも手すりを設置しました。キッチンは、老後の使いやすさを考慮し、収納物を楽に取り出せるスライド収納付きのシステムキッチンに交換。コンロは安全性の高いIHクッキングヒーターを選びました。洗面所も、収納力があり車椅子でも使いやすい高さの洗面化粧台に交換し、内装も一新しました。工事期間は約1ヶ月半。その間、仮設のトイレやお風呂を利用するなどの不便はありましたが、完成した我が家を見て、その苦労も吹き飛んだと言います。気になるリフォーム費用ですが、水回り4箇所の改修とバリアフリー工事、内装工事を含め、総額は約450万円かかりました。当初の予算よりは少しオーバーしましたが、国や自治体のバリアフリー改修に関する補助金制度を活用できたため、実質的な負担額は抑えられたそうです。リフォーム後の効果は絶大でした。冬場でも暖かい浴室は快適そのもので、ヒートショックの不安が解消されました。トイレの段差がなくなり、手すりが付いたことで、安心して使用できるようになりました。キッチンは収納力がアップし、IHコンロで火の元の心配も減りました。洗面所も使いやすく、全体的に掃除も楽になったそうです。「費用はかかったけれど、これからの人生を安全で快適に過ごすための投資だと思っています。思い切ってリフォームして本当に良かった」とSさんご夫妻は満足そうに語ります。
事例で見る水回り改修費とその効果