蛇口からのポタポタ水漏れの原因の多くは、内部の消耗部品である「パッキン」や「カートリッジ」の劣化にあります。これらの部品交換は、DIY修理の代表例ですが、それぞれの役割と交換方法のポイントを理解しておくことが成功の鍵です。まず「パッキン」ですが、これは主に水漏れを防ぐためのゴム製のシール材です。蛇口の様々な箇所に使われています。ハンドルを閉めても蛇口の先から水が漏れる場合に交換するのが「コマパッキン(ケレップ)」です。これは、二ハンドル混合水栓などの内部にあるスピンドルという部品の先端についています。交換は、ハンドルとカバーナットを外し、スピンドルを引き抜いて行います。コマパッキンはサイズがあるので、古いものと同じサイズのものを選びましょう。蛇口の根元(スパウトの付け根)から水が漏れる場合は、「Uパッキン」や「Oリング」といったパッキンの劣化が考えられます。スパウトを固定しているナットを緩めてスパウトを引き抜き、内部の溝にはまっているパッキンを交換します。これもサイズ確認が重要です。次に「バルブカートリッジ」です。これは主にシングルレバー混合水栓の心臓部で、水とお湯の混合、流量調整、そして開閉を行っています。レバーハンドルを操作しても水が止まらない、レバーの付け根やスパウトの根元から水が漏れるといった場合は、このカートリッジの交換が必要になることが多いです。交換手順は、レバーハンドルを取り外し(固定ネジの位置は様々)、カートリッジを固定しているカバーやナットを外してから、古いカートリッジを引き抜き、新しいものと交換します。カートリッジはメーカーや型番によって形状が全く異なるため、必ず蛇口本体の型番などを確認し、適合する純正品または互換品を用意する必要があります。これがDIYでのカートリッジ交換の最も重要なポイントです。パッキン交換に比べて、カートリッジ交換は少し難易度が上がりますが、正しい部品を用意し、手順を守れば自分で行うことも可能です。ただし、いずれの部品交換においても、作業前には必ず止水栓を閉め、部品の向きや順番を間違えないように注意し、締め付けすぎないように気をつけてください。